パキポディウムの実生をこれから始める方へ。水やりや用土について


こんにちは。 今回の記事は1年前から栽培を始めたパキポディウムの話です。

もうこのブログに辿り着いた方には説明は不要かと思いますが、最近にわかにブームが来ている塊根植物・コーデックスの一種で、代表的なものにパキポディウム・グラキリスというものがあります。


我が家のグラキリス

このパキポディウム、マダガスカルで自生しているものを引っこ抜いて輸入されたものが販売されているため、結構高価な上(この写真のサイズだと3〜4万円)気温や水やりにかなり気をつけないとすぐ枯れてしまいます

ところが国内で種をまき、日本の気候に合わせて成長していくことで丈夫で、さらに安価にこのパキポディウムを栽培することができるのです!

今回はパキポディウムに興味を持ち、栽培してみたいという方に向けて独自の実生方法を伝えていきたいと思います。

必要なもの

種子

当然実生をするなら種子が必要ですね。
パキポディウムもあんな見た目ですが、春には花が咲いて種子ができます。
しかし近所のお花屋さんとかでは販売されていないので、主にネットで入手する必要があります。

私の主な入手先は多肉植物ワールドさんかメルカリです。

多肉植物ワールドはグラキリスや恵比寿笑いといったポピュラーな品種を取り扱っており、昨年撒いたグラキリスは良く太ってくれました。パキポディウムが形よく成長するかは育成環境にもよると思いますが、一番影響があるのはやはり親株の遺伝子だと思います。
その点では私はここのストアを推したいと思っています。

パキポディウム象牙宮(Pachypodium Rosulatum Gracilis)の種子



メルカリ
は前述の多肉植物ワールドでは販売していないレアな品種(マカイエンセや恵比寿大黒など)が手に入る可能性があり、値段もタイミングによっては安くなっている時もあります。
しかし品種がそれだと保証できないケースや、発芽率が悪いなどのデメリットもあるのでそこは自己責任です。

プラグトレー

今年の種まきの様子
これは単に私のやり方ですが、

プラグトレーで1年間栽培→2号スリット鉢へ植え替え

という流れでやっていきます。
理由は、種まきするときはできるだけシンプルな粒だけにしておいた方が1年目の成長が良かったことと、2年目からは若干の肥料も与えたいからです。


この方法で栽培中の恵比寿大黒(播種から1年) 2号スリット鉢


プラグトレーは1つのプラグが35×35mmのものを、スリット鉢は2号を使用しています。

用土

用土は先ほども書きましたが、シンプルに、水捌け良く、がベストです。根が張りやすいようにバーミキュライトを入れたりする人もいますが、別になくても良く成長してたので無しにしました。


私が参考にしているのはサボテンオークション日本 さんです。こちらのブログではマダガスカル植物の用土について詳しく解説してくださっているのでほぼそれに倣って用土を作っています。
使っているもの
 ・赤玉土(小粒)
 ・鹿沼土
 ・パーライト(真珠岩の方。5mmのふるいで全部通るくらいの粒です)
 ・堆肥
 ・マグアンプ大粒

混ぜる割合
  赤玉7:鹿沼3:パーライト4:堆肥1~1.2
  マグアンプ適量
  (普段赤玉7袋鹿沼3袋をベースに1回分の用土を作っています。)
 【2019年7月19日追記 パキポディウムだけパーライトを5~6に変更しました。】

マダガスカル植物Q&A「用土のこと」編
こちらの用土は2年目の2号スリット鉢に植え替える時に使用していますが、種まきの時は堆肥とマグアンプを抜いています。



つまり赤玉土7:鹿沼土3:パーライト6となりますが、面倒なので2:1:2とかでいいと思います。(まだ面倒くさいならもう赤玉土オンリーでもいいと思います。
配合したら5mmのふるいにかけて、通らなかった大きい粒を底にちょっと入れて、通った小粒をその上に被せていきます。


殺菌剤・活力剤

ベンレート(殺菌剤)とメネデール(活力剤)

パキポディウムの実生をするにあたって、腰水(こしみず)という種まきをした容器を水にそのまま漬けてしまって灌水をするという過程があります。これはまだ苗が小さい時に上から水やりをすると流れてしまうからです。
そのため、常に水でヒタヒタなのでカビが発生する可能性があり、種まきの前は殺菌をするのが主流です。

しかし去年播種したものは殺菌をしなくてもあまりカビなかったので、必須であるかと言われればそうではないと感じます。
高価な種を撒く時なんかはやっておいた方がいいかも?


種まきについて

時期

2019年5月播種の1歳グラキリス

パキポディウムは夏に成長する植物なので5月ごろに種を撒くのが良いとされています。
しかし発芽するためには十分な日照とともに25度以上の気温が必要です。
そのため、安定した発芽率を求めて気温が上がってきた6〜7月に種を撒くかたもおられます。
できるだけ早く発芽してしまった方が冬までの期間が長くなり、その分成長も早いのでは?というのが持論なので私は5月中に撒くことにしています。

個人的なイメージです

種の準備


まずは種を水に漬けて半日ほど放置しておきます。
これで発芽率が上がります。アガベはこの時点で水の中で発芽したりすることもあります。

カルピスソーダかな

漬ける水の中にさっきの殺菌剤と活力剤も入れてしまいます。
1リットルの水を用意して、ベンレートを一袋、メネデールをキャップ一杯入れて溶液を作ります。
余ったものは後で水やりするときに使うので取っておきます。

播種


先ほど用意した用土に半日ほど水に漬け込んだ種を乗せていきます。上に土をかぶせる必要はありません

その後、プラグトレーをそのまま水の中へ入れます(腰水)。この時さっき作った溶液の余りも流し込んでおきます。そして上から軽く水をかければ種まきは完了です。
よくどれがどれの種か分からなくなるので、播種日と品種名を書いて刺しておきます。


管理のしかた

大体こんな感じ

種を撒いたらラップとかしてガンガンに湿度を上げた方がいいという説もありますが、私の体験から言うとカビが生えやすいだけだったのでもう風通しの良い方がよくね?って感じです。

必ず守って欲しいのはこの二点です。


・日当たりの良いところに置く

・腰水を切らさない

ただ、いきなり直射日光に当てると葉が焼けるので、屋外で飼育する時は一ヶ月くらいは遮光シートとかで70%くらいは遮光しておきましょう。



一ヶ月も経つとこれくらいの大きさになります。
屋外で直射日光ガンガン当てて風通しの良いところに置いておくと横に大きくなります。



二ヶ月でこれくらい。
少し白みがかかってきてトゲも出てきました。
このあたりで腰水から通常の水やりに切り替えてもいいと思います。



三ヶ月でもうすっかりパキポディウムらしい姿になりました。
ここからは雨晒しにして自然に任せて成長させることがコツだと思います。
ただしあまりにも雨が続くようであれば根腐れの懸念もあるので、屋内に避難させておきましょう。



最後に


パキポディウムの実生は比較的まだ新しいコンテンツであり、数々の人達が手探りで栽培をしている状況です。
なので種まきの方法ひとつを取っても数々の手法があるのが現状です。私もまだこれだというものを確立しているわけではありません。
しかし今回ブログに書かせていただいたものが、今私が考え得る最善の方法なのではないかと思っています。
この記事をぜひ参考にしていただき、素晴らしいパキポディウムを一緒に育てていきましょう。



・・・余談ではありますが、Instagramにて日々パキポディウムの写真をアップしております。
もし良ければフォローしてみてください。





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